第三楽章
第三楽章は非常に穏やかな楽章で、一・二楽章で眠気を我慢していた人が熟睡してしまう楽章です。
僕自身、何度もこの「第九」の演奏会に行きましたが、大体この第三楽章あたりでイビキが聞こえ始めました。一・二楽章は、わりと曲自体が勇ましく強弱がはっきりしているので、聴いていてもそんなに飽きることはないようです。しかし第三楽章においては、全体的に静かな曲であまり強弱が感じられないところが多いので、聴く人が眠くなってしまう気持ちも大いに分かります。でも、流れさえつかんでいれば、感動のうちに終わってしまう楽章でもあります。
この楽章を簡単に言ってしまえば変奏曲(きらきら星変奏曲のように、1つのテーマを色々に形を変えて進行するスタイル)です。
しかし、使われるテーマが2つあるので、少々複雑な感じはあります。1つ目のテーマは2回変奏され、2つ目のテーマは1回しか変奏されません。
では、第三楽章の全体の流れを図解してみたいと思います。